藤村は御牧原に蕨採り
『私は二三の同僚と一緒に、御牧原の方へ山遊びに出掛けた。松林の間なぞを猟師のように歩いて、小松の多い岡の上では大分蕨を採った。それから鴇窪という村へ引返して、田舎の中の田舎とでも言うべきところで半日を送った。』
……島崎藤村「千曲川のスケッチ」より
藤村御牧原に蕨採りにきていました。
鴇窪を『田舎の中の田舎』と表現しています。
『木曽路はすべて山の中である』と夜明け前に謳ってあります。
文豪の巧みに使われている語彙、表現力の素晴らさに驚いております。
最近、島崎藤村を読んでいます。文体が難しいので、まずは千曲川のスケッチから読みはじめました。
藤村は『親譲りの憂鬱』で悩んでいました。
https://www.weblio.jp/content/%E8%A6%AA%E8%AD%B2%E3%82%8A%E3%81%AE%E6%86%82%E9%AC%B1
いつか藤村自身もそうなるのではないかと…。